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2015-10-30

歩行速度はどこまで推定できるか?

 加速度から歩行速度が精度よく推定できるのは、あくまで「ふつう」の歩行の場合に限ります。ここで「ふつう」とは、健康な人が日常生活の中で無理なく変えられるスピードの範囲内、という意味です。
 推定速度と実際の速度の関係が、病気の場合や「ふつうでない」動きの場合にどうなるかは興味深いところです。
 簡単な思考実験をしてみましょう。
まずは、病気でなかなか足が前に進まない歩行です。例えば小刻み歩行やすくみ足です。
この場合、その場で細かく足踏みする状況を想定します。からだはそれなりに激しく動くので加速度は大きくなります。しかし、全く前に進まないので速度はゼロです。
つまり、加速度の大きさから期待されるほど実際の速度が出ないので、推定式は破たんするでしょう。
 では、とてつもなく速く進む場合はどうでしょうか。例えば幅跳びのように大ジャンプで前進する場合です。ジャンプしている間は加速していませんから、ジャンプ中の加速度の大きさから期待される以上の速度が出ることになって、やはり推定式は使えないでしょう。(もちろんからだを蹴り上げる時の衝撃力を考慮すればトータルで大きな加速度になるかもしれませんが。)
 このように推定式からずれるところには病気だけではなく、超人的な歩行が関与していることが考えられます。予想もつかない動きで一撃必勝の剣豪も「ずれた」歩き方をしているのかもしれません。

written by ほろす1998 | 雑感Topへ戻る

2015-10-13

日本人類学会大会シンポジウム

10月9日金曜日に第69回日本人類学会大会の公開シンポジウムが産業技術総合研究所臨海副都心センターにて開催されました。
http://www.gakkai.ne.jp/anthropology/69_annual_meeting/symposiums.html

テーマは「歩くことから。健康の取り組みをはじめる、つづけるために」でした。学会の公開シンポジウムで、一般企業も参加するというのは、日本人類学会としてはとても珍しいとのことでした。
演題は4題で非常に興味深いものでした。
1.「ロコモティブシンドローム-高齢者の運動機能低下と生活機能低下との連関-」岩谷 力先生(長野保健医療大学)
ロコモティブシンドロームの紹介とともに、運動器の障害が原因で動けなくなる恐れが高い、と指摘されていました。
2.「高齢者における歩行の意義」鈴木 隆雄先生(桜美林大学 加齢・発達研究所;国立長寿医療研究センター)
最初に、前回のブログで紹介した論文内容を紹介され、歩行が生活機能・介護必要性・生死の予知因子となりうるとされていました。また、サルコペニアやフレイルの内容についても説明されていました。
3.「センサによる転倒リスク/歩行特徴評価装置の開発」小林 吉之先生(産業技術総合研究所 人間情報研究部門)
産総研で開発されている評価装置やデータベースが紹介されていました。
4.「歩行特徴の見せる化技術で健康生活を支援する」須藤 元喜先生(花王株式会社 パーソナルヘルスケア研究所)
長寿研究所と共同研究されている内容について紹介されていました。測定装置の継続ポイントは電池交換と指摘されていたことに驚きました。どういう状態にしろ、充電とか電池交換で測定をやめる人が多いそうです。
5.パネルディスカッション
産総研の持丸 正明先生の司会で、4先生とのパネルディスカッションでした。
生活能力低下は最初に社会性、次に知力、最後に運動能力の順で進んでいくそうです。いかに社会性サポートが重要であるかを強調されていました。歩く機能を上げるために運動するというのではなく、活動に参加しているうちに結果として運動となる、というのが良いとの結論でした。

いつも言われていることですが、「歩行」は基本的な日常動作でありながら、さまざまな場面につながっていっています。「歩行」を科学することで、社会的な貢献をしたいと思ったシンポジウムでした。

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