目標達成のために
歩行分析計を扱うようになってリハビリをされる方々がどのような歩行動作を目指して訓練されているのか、どのような状態を目標としているのか、を考えるようになりました。
言うまでもないことでしょうが、患者にとって日常生活を普通に送れるような歩き方を改めて習得することが第一目標です。
では“日常生活を普通に送れるような歩き方”を具体的に表現することは可能なのでしょうか。
転倒リスクを抑えるために、できれば歩幅を大きくとって力強く歩くことが求められるでしょう。けれど意識して力強く歩く行為は“日常生活を普通に送れるような歩き方”ではないでしょう。
それでは力強く歩くことに慣れればいいのか?慣れるためにはほどほどの歩幅や力強さで歩く方が良い気がします。
ほどほどの歩き方でも十分に転倒を回避できるほどの力強さを身に着けることが、リハビリにおけるひとつの目標なのかもしれません。
歩行動作に集中しなくても歩ける“ながら歩き”の可否がメルクマールになるとお聞きしたことがあります。
歩行動作の再現性(毎回同じように歩みを進めることができるか)も重要な気がします。
リハビリをする方は“日常生活を普通に送れるような歩き方”を一度失った方です。
失った理由はひとそれぞれです。再習得すべき歩き方は以前のものとは違うかもしれません。回復に向けたリハビリの過程もひとそれぞれになるのでしょう。そのようなリハビリの現場でもお役に立てるような歩行分析計を提供していきたいと考えています。